「目標について独立性を持っているのではない」

日本銀行の副総裁に就任した若田部昌澄氏は、3月7日の国会での所信聴取で言い切った。しかしその2日後の記者会見で黒田東彦総裁は「具体的目標についても独立性を持っている」と明言。図らずも、日銀の独立性について日銀内部で認識に差のあることが明らかになった。

日銀に独立性はあるのだろうか。

2018年は改正日銀法が施行されて20年。「改正の最大の眼目は、中央銀行としての『独立性』を法制度としても明確にすること」と日銀のホームページにある。法制度としては日銀に独立性があることになっている。

しかし、現在の日銀の政策委員会の体制を見ると、政府が人事を通じて日銀の金融政策に介入しているように見え、独立性の面で疑問が残る。

13年に安倍晋三首相は日銀総裁について「私と同じ考えを有する人、かつデフレ脱却に強い意志と能力を持った方にお願いしたい」と語り、黒田氏をはじめとする総裁・副総裁の任命を行った。

それから5年を経た現在の日銀政策委員には、積極的な金融緩和を主張するリフレ派と呼ばれる人物が多く起用されている。緩和に反対票を投じていた審議委員(総裁・副総裁以外の政策委員)もいたが、16~17年に任期満了で退任。彼らの後任には緩和に積極的な人材が多く選ばれている。