いわむら・のぶこ●1953年、北海道生まれ。シンクタンク、大手広告会社を経て、食品会社顧問などを務める。著書に『日本人には二種類いる』など。(撮影:田所千代美)

1960年以降に生まれた人たちは、日本で初めて「個」ということをとても大事にして育てられた第1世代といってもよい。赤ちゃんのときから個を尊重する育児書で育てられ、学校教育では集団より個を大事にされ、家庭の中でも子ども部屋を当然のように与えられて育った。その第1陣が今年、57〜58歳を迎えている。

彼らは今の日本のサラリーマン社会のほとんど、子育て中の人やこれから老人を抱える世帯のほとんどを占める。その人たちが親を介護するような立場になるとどうするのか。今までは親に一方的に「してもらう」存在だった人たちが、今度は親を介護してあげなければならない。互いの自由や意思を尊重し合っていた夫婦が、親の介護に共同で向き合う必要が出てくる。

平穏無事な世界ではお互いを尊重し合う余裕があるが、介護という難しい問題が出てきたときには、お互いの自由やペースを譲り合わないと成り立たない。外からは見えない、家庭の激変が今起きていると思う。

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