日本原子力研究開発機構の高温工学試験研究炉HTTRは高温ガス炉の研究開発で世界最先端を走る(撮影:梅谷秀司)

福島での事故以降、日本の原子力技術には世界から厳しい目が注がれている。その中で、にわかに脚光を浴びているのが「高温ガス炉」だ。

昨年5月、日本とポーランドは研究協力についての覚書を締結。現在、実施取り決めに向けた協議が大詰めを迎えている。

原子力発電では、通常の水(軽水)を原子炉の冷却材に用いる軽水炉が主流だ。高温ガス炉は軽水炉と異なり、ヘリウムガスを冷却材に使用する。

軽水炉は発電用に広く用いられてきたが、高温ガス炉は長らく日の当たらない存在だった。

「研究開発を始めて間もない40年前は、原子炉の熱を用いた製鉄用途が有望視された。しかし製鉄会社の関心はその後、薄れてしまった。発電用では軽水炉との比較で十分な経済的メリットを打ち出すことができず、電力会社からも注目してもらえなかった」