東京モーターショーで披露された独BMWのワイヤレス充電。駐車中に手軽に充電できる(撮影:尾形文繁)

電気自動車(EV)が大量に導入されれば、仮想発電所として使えるのではないか。電力業界にはそうした期待がある。電力を貯蔵できるEVは小さな発電所、それが大量に普及すれば相当程度の発電能力を得られるという考えだ。

だが、EVの本格普及には課題も多い。現在のEVは車の基本性能である航続距離、エネルギー補給時間などでガソリン車に劣り、充電環境の整備も道半ばだ。今後、壁を打ち破る技術は開発されるのか。最重要のカギを握るのはEVの動力源である電池の改良だ。

EV用電池の主流は液系リチウムイオン電池。最大の弱点は航続距離の短さにある。ガソリン車の航続距離は400~500キロメートルが標準だがEVは300~400キロメートルが中心。車に積載する電池を増やせば航続距離は伸びるがその分、車体が重くなり燃費ならぬ「電費」が悪化する。

現在は単位重量当たりのエネルギー容量である「エネルギー密度」を高めたリチウムイオン電池の開発が進む。が、「エネルギー密度と安全性はトレードオフの関係にあり、エネルギー密度の向上には限界がある。市場規模の拡大に伴うコバルトなど資源の不足問題もあり、リチウムイオン電池が主流であり続けられるのは2025年ぐらいまで」(リチウムイオン電池の発明者で旭化成名誉フェローの吉野彰氏)との見方もある。