日下部聡・経済産業省資源エネルギー庁長官は、エネルギー行政の総元締である。「エネルギー基本計画」見直しに向けての問題認識、今後のエネルギー政策の方向性についてインタビューした。

くさかべ・さとし●1960年生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。82年通商産業省(現・経済産業省)入省、製造産業局自動車課長や大臣官房秘書課長、大臣官房長などを経て2015年から現職。(撮影:尾形文繁)

──昨年8月、経産省ではエネルギー基本計画の見直しと2050年視点での長期的なエネルギーのあり方についての議論をスタートさせました。

エネルギー転換という大きなテーマに関して日本としての処方箋を書くべく、昨年8月に2つの検討の場を設けた。その1つである総合資源エネルギー調査会では、現行の30年度目標のエネルギー基本計画のあり方を議論している。もう1つのエネルギー情勢懇談会はパリ協定を踏まえ、50年を見据えての議論を続けている。

14年に今の計画を定めた後、再エネ価格の劇的な低下や石油・ガス価格の下落、電気自動車(EV)へのシフトといった変化が世界規模で起きている。金融の動きも見逃せない。この3〜4年間の変化をどうとらえ、エネルギー転換による脱炭素化にどう向き合うか、徹底的な議論を続けている。

──エネルギー基本計画を踏まえた30年度の電源構成について、基本政策分科会では、資源エネ庁の事務方から「必達」という言葉がありました。再エネや原子力、火力のそれぞれについての達成の見通しは。