なかぞら・まな●1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

3月4日にイタリア総選挙が行われた。政局はまだ流動的だが、金融市場にとってのイタリアのリスクを総括しておくことにする。

選挙結果を見ると、単独政党ではポピュリズム政党の「五つ星運動」が得票率32.4%で第一党となったが、連立では「フォルツァ・イタリア」(FI)と「同盟」(旧称・北部同盟)を中心とする中道右派連合が37.3%と最も票を集めた。現与党の民主党(PD)を中心とする中道左派連合は振るわず、2014年総選挙時の41%から19%に低下し、PDのレンツィ代表は辞任表明に追い込まれた。

問題の一つは、どの政党も過半数に足りない状況であり、もともとイタリアの問題であった小党分立による政策決定力の弱さが継続してしまうことだ。

しかも、有権者は既存の主要政党の政治が成した現在のイタリアに不満があり、反体制派の政党が勝利した。五つ星がイタリア南部で善戦したのは南部の相対的な経済低迷が理由であり、北部を支持基盤とする同盟が前回以上に得票した背景には、ここ数年の移民の流入増加への反発がある。