トランプ政権は3月8日、鉄鋼・アルミニウムにそれぞれ25%・10%の関税を課す輸入制限を発動すると正式に発表した。

明らかになったのは、もはや政権の内部に、トランプ大統領の衝動的な政策を制御する力がなくなっていることだ。

かねてトランプ大統領は、米国が貿易赤字を抱える国への高関税の賦課など、保護主義的な政策の実施を望んできた。これをゲイリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長(当時)などの「自由貿易派」といわれる人々が、どうにか制御してきたのが現実だ。

局面は変わった。最大の要因は、トランプ大統領が孤立し、鬱積した不満が先鋭的で本能的な意思決定へと駆り立てていることだ。

ロシア疑惑の捜査が続き、最側近のホープ・ヒックス広報部長が辞任に追い込まれるなど、トランプ大統領が頼りにする人々は次々と苦境に立たされている。追い込まれると、混乱を生み出してニュースサイクルの主導権を握るのが、トランプ大統領の定石だ。