講義動画「スタディサプリ」の勢いが止まらない。有料会員数は1月末に64万を突破。2年で約2.5倍になった。

スタディサプリは有名講師の講義動画を大学受験生から小学4年生に配信する教育サービスである。4万本強の講義動画を月額わずか980円で何度でも視聴できる──これが最大の売りだ。

スタディサプリを運営しているのはリクルートホールディングスの100%子会社で進学情報を提供してきたリクルートマーケティングパートナーズ(以下RMP)。講義動画配信は他社にもあるが、動画本数、低料金でRMPは他を圧倒している。

「営業はやりますから先生は講義に集中を」

スタディサプリを発案し、現在も同事業を牽引するのは山口文洋RMP社長(40)。「親の経済力格差が教育格差を生んでいる。その格差解消を事業化したい」。そんな思いが発端だった。

リクルートマーケティングパートナーズ 社長 山口文洋
やまぐち・ふみひろ●1978年生まれ。2000年慶応義塾大学商学部卒。ITベンチャーを経て06年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。12年進学事業本部エグゼクティブマネジャー。15年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

2011年秋に、大学入試の過去問題やセンター試験対策の模擬試験を実験的に無料配信。将来の顧客とみられるユーザーの反応を探った。翌12年には社内の新事業コンテストに応募。グランプリを獲得し、同年秋に新事業として講義動画の有料配信を始めた。

「動画を無料配信し広告収入を得るビジネスモデルも一時検討した。が、質の高い教育コンテンツは有料配信が自然だと思えた」。山口社長は当時をそう振り返る。