イラスト:熊野友紀子

2月初めに起きたニューヨーク発の世界同時株安から1カ月経ったが、マーケットの先行き不透明感はなかなか払拭できない。株式市場では何が起きているのだろうか。

Q1. 米国の金利上昇はなぜ注目されている?

2008年のリーマンショック以降、先進各国は景気回復を促すために緊急避難的な金融政策を取ってきました。いち早く景気を回復させた米国は、この政策を平時に戻す正常化を進めています。ですが、その動きが世界経済にも広く影響をもたらすために、多くの人の関心を集めています。

人間の身体に置き換えると、おカネの流れは血液の循環のようなものです。血管が詰まると身体機能に支障が生じるように、おカネの流れが停滞すると経済活動はマヒしてしまいます。そこで米国連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)、日本銀行など「おカネの番人」である中央銀行は、おカネの循環をよくする政策を取りました。それが政策金利の引き下げや、おカネの量そのものを増やす金融緩和政策でした。

FRBは15年末、リーマンショック後にゼロ%にまで引き下げていた金利の引き上げに着手。17年からはおカネの量を増やすために市中から購入してきた国債などの資産の縮小を始めています。FRBによる政策金利の引き上げは、代表的な運用資産である米国債の利回りも引き上げます。メディアで「米国長期金利」と紹介されるのは、米国の10年国債(償還期限が10年)の利回りのことです。

米国債の利回りは国際的に金利の指標になっています。その動きの影響が及ぶ範囲は、銀行による貸し出しなど米国内だけにとどまりません。各国の国債利回りにも少なからず影響を及ぼします。また米国債の利回りが上がれば、新興国へと流れていた米国の投資マネーが母国に戻るなど、世界全体のおカネの流れが変わる可能性もあります。

利上げを続ける方針を示しているパウエルFRB議長(AFP/アフロ)

Q2. 金利が上がると株価や景気はどうなる?

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