【今週の眼】三品和広 神戸大学大学院教授
みしな・かずひろ●1959年生まれ、愛知県出身。一橋大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学文理大学院博士課程修了。同大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。著書は『戦略不全の論理』など多数。(撮影:梅谷秀司)

米国のグーグルがアルファベットに改組して2年半ほど経過した。なのに日本に追随者が現れる兆しはいまだない。むしろ逆行する動きばかり目立つが、大丈夫なのであろうか。

アルファベットの意図は不確実性への対処にある。今や世界は人工知能と遺伝子編集によって一新されようとしている。そして、いつまでに何がどれだけ変わるか誰にもわからない。新たな可能性が開ける一方で、不確実性がとみに高まっているのである。

不確実性は多様性で吸収する。これが経営の常道である。不確実性が低い経営環境では、組織を集権的に統制して効率を追求すればよい。しかしながら、不確実性が高い経営環境では、組織を分権的に運営して相互に独立した実験を奨励しなければならない。本社が間違えたら一巻の終わり、ではあまりに危ないからである。