有料会員限定

シリア泥沼化の元凶は米国のIS掃討作戦 ISが去っても紛争は終わっていない

✎ 1〜 ✎ 302 ✎ 303 ✎ 304 ✎ 最新
拡大
縮小

シリア情勢の複雑さは世界が手に負えるようなレベルをはるかに超えている。事態は急速に変化し、利害関係者の数は増え続け、戦線は絶えず移動し、すべてが泥沼と化していく。

シリアの内戦に二つの流れがはっきりと見えていたのは、わずか6カ月前にすぎない。一つは、アサド政権がロシア、イラン、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラの支援を受けて着々と勝利への道を歩んでいたこと。もう一つは、米軍主導の有志連合による掃討作戦を前に、過激派組織「イスラム国」(IS)の完敗が迫っていたことだ。しかし今となっては、IS掃討作戦はひいき目に見ても、犠牲が多すぎてとても勝利とはいえないような戦いだったように思える。多数の命を犠牲にしながら、紛争解決のメドはまるで立っていない。

それどころか、事態は緊迫の度合いを増している。2月10日には、イスラエルがシリア南部にあるイランの軍事施設を攻撃した。国内でクルド人の分離独立問題を抱えるトルコは、国境を挟んでクルド人同士が結び付くのを防ぐためにシリア北部のアフリンへ侵攻。クルド人勢力の掃討に着手した。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内