地方都市の問題を議論する際、よく取り上げられるのが「コンパクトシティ」という概念である。住宅や職場、店舗、病院など生活に不可欠な施設を中心部に集約することで、車による移動を減らし、公共交通機関や徒歩で生活できるようにする。そのように高齢者でも安全で暮らしやすい居住環境を整えることで、市街地の郊外への無秩序な拡大を抑えようとする考え方だ。

1970年代に米国で唱えられた概念で、その後欧州で「持続可能な都市づくり」の一環として脚光を浴びるようになった。

日本において、この「コンパクトシティ」化に比較的早く取り組んだのが青森県青森市である。

青森市は本州最北県のほぼ中心部に位置し、本州と北海道をつなぐ交通の要衝として栄えてきた。しかし90年代以降、市街地中心部から郊外部への人口流出が目立ち始めた。道路や上下水道整備などの数百億円の財政支出に加え、毎冬の除雪作業のコストが毎年30億円から40億円へ膨れ上がるなど、市の財政負担も増してきた。

そこで99年、青森市は「都市計画マスタープラン」を決定。その中で郊外に流出した市民を市中心部に呼び戻そうと、コンパクトシティ化構想を立ち上げた。