2月26日の衆議院予算委員会で答弁に臨む安倍晋三首相(右)と加藤勝信厚労相(時事)

永田町には「高転び」という言葉がある。絶好調のさなかにはしごを外され、転げ落ちることをいう。今すぐに安倍晋三首相が高転びすることはないと思われる。だが、首相官邸主導の政権運営を見ていると、「安倍1強」からくる緩みなのか、それとも自信過剰によるものなのかわからないが、国会対応や外交政策に不安を覚える。

安倍首相は年初に今通常国会を「働き方改革国会」と名付け、政府提出の最重要法案として働き方改革関連法案の可決に全力投球する意向を示した。

経団連など経済界からの要請もあったが、(1)長時間労働の是正、(2)同一労働同一賃金、(3)裁量労働制の拡大、(4)脱時間給制度の創設を4本柱とする同関連法案は、安倍首相が昨年の衆議院選挙公約で掲げた最重要政策=働き方改革の成否を決めるものだ。

ところが、非正社員(契約社員)の待遇改善を目指すはずの同一労働同一賃金の導入において、その中核を成す法案の前に立ちふさがったのが、2月21日の大阪地方裁判所判決だった。

日本郵便の契約社員が、正社員と同じ仕事をしているのに手当(待遇)に格差があるのは労働契約違反であるとして同社に未払い分の支払いを求めた訴訟について、「契約社員に支給がないのは不合理」として、計3100万円の支払いを命じたのだ。

同判決が「格差是正」を命じた手当は年末年始出勤、住居、扶養の3項目であり、非正社員にはまさに朗報であった。