中国銀行業監督管理委員会の郭樹清主席(写真)は、理財商品の拡大を問題視し規制を強化している(AP/アフロ)

「理財商品」という言葉を覚えておいでだろうか。

これは中国の銀行が信託会社などノンバンクと組んで一般投資家などから資金を集める際の金融商品の総称である。理財商品に代表される中国の「影の銀行」に日本でも注目が集まったのは、2013年6月の短期金融市場における流動性の逼迫がきっかけだった。

この時期、米国の量的金融緩和政策転換の予測から、中国など新興国からの資金の逆流が生じていた。また、急速に規模を拡大しつつあった理財商品の返還期限が集中し、短期金融市場の資金は逼迫。翌日物の上海銀行間金利(SHIBO)は一時13.44%と急騰した。

その後、中国経済のリスクに対する関心は、株式市場の下落や人民元相場に移った。ここ2年ほどは中国経済が好調に転じたこともあって、理財商品や影の銀行に関する日本での報道は減っている。

しかし、この2月に相次いで出された、銀行業理財登録管理センターによる「中国銀行業理財市場報告」(以下「報告」)、およびBIS(国際決済銀行)による「中国の影の銀行をマッピングする:構造と動態」(以下、BISリポート)という二つのリポートは、中国の金融システムにおける重要な一部分となりつつある「影の銀行」の現状を詳細に描き出している。