都内の百貨店を歩くと、平日にもかかわらず化粧品売り場では女性たちがこぞって製品を試している。とりわけ資生堂やコーセーの売り場には中国人などの訪日外国人の客も目立つ。ところが花王グループのカネボウ化粧品の売り場は、明らかに客がまばらで寂しい光景が広がる──。

花王が今年2月に発表した2017年12月期の本決算は、一見すきがない。売上高は1兆4894億円(前期比2.2%増)、営業利益は2047億円(同10.4%増)と計画値を上回って着地した。営業利益が2000億円を超えたのは創業以来、初めてのことだ。紙おむつの「メリーズ」やスキンケア製品「ビオレ」などが国内外で伸び、好調な業績を下支えした。

しかし、花王にはアキレス腱がある。国内の化粧品事業だ。競合の資生堂やコーセー、ポーラ・オルビスホールディングスは、インバウンド(訪日外国人客)需要を追い風に、直近で売上高が2ケタ増と高成長を続けるが、花王の化粧品事業は横ばい止まり。ライバル3社は好採算な高価格帯のスキンケアが好調で営業利益率も8~15%台と高い。一方、花王は2.1%と独り負けが続く。

「競合メーカーは化粧品のインバウンド需要が取れているのに、うちは出遅れ感がある」。花王の澤田道隆社長は決算会見で化粧品事業について問われ肩を落とした。