週刊東洋経済 2018年3/10号
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「EVの基盤技術の考え方は、日本の自動車メーカーである程度共有しませんか? バラバラでなく一つのベースがあれば、部品会社も含めて力を無駄に分散させなくて済みます」──。

トヨタ自動車が、出遅れたEV(電気自動車)開発を加速させている。トヨタ幹部は昨年秋、SUBARUを訪ねて提案した。SUBARU幹部は「そのとおりですね」と了承。同じ時期、トヨタはスズキにも頭を下げ、子会社のダイハツ工業と日野自動車からも了承を得た。

トヨタが昨年9月にマツダ、デンソーとともに設立したEVの基盤技術開発の新会社「EV C.A. Spirit」(EVCAS)はトヨタ18人、マツダ16人、デンソー2人に加え、今年1月から先の4社(SUBARU、スズキ、ダイハツ、日野)が加わり、総勢約60人のエンジニアが集結。オールジャパンの大連合へと進化した。複数の自動車メーカーやサプライヤーが開発初期の段階から協力するのは異例だ。それだけ競争環境が厳しいことの裏返しでもある。

新会社そして大型提携 戦略の全体像が完成

「新会社は2年限定。それで一区切りとしたい」。トヨタ幹部は各社にそう伝え、スピード重視の姿勢を鮮明にしている。少し前までトヨタ幹部は「EVを競って早く出しても仕方がない」としてきたが、ここに来て様変わりした。軽自動車から乗用車、トラックまでそれぞれに強みを持つ各社が集まることで、幅広い車種に活用できるEVの基盤技術を短期で開発し、海外勢との競争に挑む。

新会社にはトヨタが90%出資し、マツダとデンソーも5%ずつ出資している。社長はトヨタの寺師茂樹副社長だが、「EVCASに来ているそれぞれが代表者。情報共有会議を定期的に行い、成果・進捗の確認を行う」として、トヨタは“上から目線”でないことを強調する。

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