2005年にカネボウの繊維事業を買収し、総合繊維メーカーへ構造転換を果たしたセーレン。事業再建の秘訣を川田達男会長に聞いた。

かわだ・たつお●1940年生まれ。62年、福井精練加工(現セーレン)入社。87年社長就任。2005年にカネボウ買収。11年から現職。

当時、第4分類(再建不能)と産業再生機構に指定されたカネボウを買収することは、「ありえない」と社内外で驚かれ反発も受けた。取引先である繊維メーカー各社からも「カネボウはとても助けられる状態じゃない」「買収なんてやめろ」と言われた。

でも私はチャンスだと思った。かつて通商産業省(現・経済産業省)は合成繊維8社だけに原糸製造をやらせる政策を取っていて、私は「原糸メーカーの機能を持ちたい」と言っただけでおしかりを受けていた。私はカネボウを再建するというよりも、どうしても原糸製造の機能が欲しかった。セーレンは染色の賃加工をなりわいにして100年のDNAがあり、非衣料に転換するには一貫生産が不可欠だった。