日中関係に改善の兆候が見られる。昨年は両政府首脳による会談も行われ、経済関係では中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」について日本側の関心も高まってきた。毎年、財界首脳による訪中団を派遣している日中経済協会の宗岡正二会長(新日鉄住金会長)に聞いた。

むねおか・しょうじ●1946年生まれ。東大農業経済学科卒。2008年新日鉄社長、12年新日鉄住金会長兼CEO、14年会長。15年から日中経済協会会長。(撮影:田所千代美)

──昨年11月に経団連会長などとともに北京を訪れました。中国側の反応はいかがでしたか。

中国側の対応は2015年から変化の兆しがあったが、昨年はさらによくなった印象がある。昨年、安倍晋三首相と習近平国家主席は2回会談し、安倍首相と李克強首相との会談もあった。そうした出来事もあって、雰囲気はずいぶんと変わった。昨年は日中国交正常化45周年、今年は日中平和友好条約締結40周年だ。双方の首脳が両国関係をきちんとしたものにしたいと考えているのではないか。

──中国企業による過剰生産はかねて課題でした。特に鉄鋼が深刻でしたが状況は?

好転の手応えがある。当局が環境規制に適合しない違法な鉄鋼メーカーを取り締まっている。以前は過剰生産能力について、中国の所管官庁は問題の所在すら認めていなかったが、認めるようになった。昨年11月の訪中時には李首相が、鉄鋼だけでなくセメントやガラスなどほかの産業でも過剰生産の解消に取り組むと明言した。