IFRS(国際財務報告基準)を導入する企業が増えている。早稲田大学の辻山栄子教授は「会計基準の国際統一には賛成だがIFRSには品質面で疑問がある」との立場を貫いてきた。収益を計上する際に、財やサービスについて支配の移転に着目する収益認識基準について聞いた。

つじやま・えいこ●1947年生まれ。71年早稲田大学第一商学部卒。経済学博士(東京大学)。2003年から現職。金融審議会などの委員を歴任。公認会計士。今年3月早大を定年退職。(撮影:梅谷秀司)

──IFRSの収益認識基準では、「顧客から受け取る対価」を「履行義務の充足に即して」収益計上するとしています。実現した収入額を売り上げ計上する従来の会計と何が違うのでしょうか。

心配は無用だ。結局、伝統的な呼び方を変更しただけで、意味するところは従来の実務と同じ考え方だからだ。「収入額」は「顧客対価」に、「実現」は「履行義務の充足」に言い換えられた。だが、顧客対価とは収入額のことだし、履行義務が充足するのは財やサービスを顧客に引き渡したとき、すなわち収益が実現するときである。

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