北極海を航行する民間船舶(商船三井提供)

北極が新たなフロンティアであるといわれるようになって久しい。その背景にあるのは、国際政治と気候面の大変動だ。

北極には相当の資源が存在するのではないか、あるいはアジアと欧州とを結ぶ最短航路としての価値を持つのではないか、ということは古くから指摘されていた。

冷戦時代、北極の商業利用はまず不可能であった。ソ連が西側諸国の自由な行動を許すはずがなく、1年の大半は分厚い氷に覆われているという厳しい気象環境も北極の利用を阻んだ。

ところがソ連末期の1991年に外国船の北極海航行が認められ、西側石油資本による資源探査も行えるようになった。その結果、北極に膨大な石油・天然ガス資源が存在することが明らかになり、2000年代にはエネルギー価格の上昇によって、北極資源の開発熱に火がついた。

中でも、世界の未発見石油の13%、未発見天然ガスの30%が北極に眠っているという米国地質調査所の08年の報告書は、一大センセーションを巻き起こした。地球温暖化により北極の氷が年々減っていることも、北極利用の障害を大幅に減少させた。