公正発展党を率いるトルコのエルドアン大統領(右)(TURKISH PRESIDENTIAL PRESS SERVICE/AFP/アフロ)

トルコはしばしば地政学的に重要だといわれる国家である。実際にトルコのどのような点が重要なのだろうか。

第一に、中東、 南コーカサス、東欧、バルカン半島という多様な地域に陸続きで隣接している点である。第二に、黒海、東地中海、マルマラ海に接しており、カスピ海ともそう遠く離れていない点である。黒海と東地中海を結ぶボスフォラス海峡とダーダネルス海峡の存在は特に重要である。

第三に、潜在的なものも含め、中央アジア、アゼルバイジャン、イラクの石油・天然ガスの輸送ルートとして欠かせない点である。特にロシアを経由せずに、中央アジアやアゼルバイジャンと欧州を結べる点は、多くの国にとって魅力である。第四に、イラク、シリアの上流に位置し、チグリス川とユーフラテス川の水資源をコントロールできる点である。第五に、インジルリク空軍基地をはじめとしたNATO(北大西洋条約機構)の施設を保有している点である。

冷戦時代はソ連、冷戦後はイラクやシリアといった、米国を中心とした国際社会が最も脅威を感じる国々と接しており、戦略上重要視されてきた。

当然、そのリスクもある。たとえば、シリアとは911キロメートルの国境を共有しており、約350万人の難民が流入した。「イスラーム国」が台頭した際は、外国人戦闘員のシリア渡航の主要なルートとなった。現在はシリア北部を実効支配し始めているクルド人勢力との対立がクローズアップされている。さまざまな特徴を持つ地域の結節点となっているトルコは、人・物・カネの流れに翻弄されやすい。

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