黒田氏は73歳。これまで物価目標の達成時期を6度先送りしている(撮影:今井康一)

「ポスト黒田」を担うのは本人しかいなかった──。政府は、日本銀行の黒田東彦総裁を再任させる人事案を固めた。

黒田氏の任期は4月8日まで。安倍晋三首相は黒田氏の手腕を高く評価しており、続投は既定路線だった。

今月9日には各有力紙が黒田続投を相次いで報じた。このタイミングでの続投報道に、「大規模金融緩和を継続させる」という政府のメッセージを読み解いた関係者は多い。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「FRB(米国連邦準備制度理事会)の新議長就任がダメ押しとなったのでは」と語る。

2月5日、米国の株式市場でダウ平均が過去最大の下げ幅を記録。ちょうどその日はパウエルFRB新議長の就任日でもあり、市場から試された感がある。政府からすれば、黒田氏の日銀総裁続投を早々と決め、市場に安心材料を与える必要があった。