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上昇続いた原油価格 シェール増産で下押し 売り材料に目が向く局面に

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原油の価格にも変化が起きつつある。WTI先物価格は、昨秋から継続的に上昇。1月26日には1バレル=66.14ドルを記録し、2014年以来の高値となった。その後、株価暴落を受け下落したものの、2月6日の終値は63.39ドルと株価ほど大きな下落は見せていない。

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原油価格の上昇を牽引してきたのは世界経済の拡大だ。将来の石油需要が上振れするという期待が広まった。好調な世界経済は株価も上昇させた。このことが投資家のリスク許容度を高め、原油をはじめとするコモディティ市場への資金流入を増加させた。コモディティの中でも市場規模が大きく、流動性も高い原油は、特にその恩恵を受けた。世界的な金融緩和によるカネ余りが続く中で、買い材料ばかりが意識され、売り材料が軽視される状況になっていた。

このところ買い材料が多かったのは事実だ。17年8月、ハリケーン「ハービー」がメキシコ湾岸を通過したことで、米国の石油製品の精製能力は20%弱減少した。さらに、カナダのキーストーンや英国の北海油田では、事故によってパイプラインが停止されていた。こうした供給面での制約がある中、冬の需要期に突入。需給の逼迫感は強まり、原油価格は一段と上昇した。

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