韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は今年、好スタートを切った。平昌(ピョンチャン)冬季五輪に際し、北朝鮮から参加の合意を取り付けただけではない。そうすることが実はトランプ米大統領自身の考えであったと、トランプ氏に信じ込ませたのだ。

文氏は五輪に対する北朝鮮の脅威を手なずけるのと同時に、米国からの反発回避にも成功した。

だが、今年初めに開かれた南北閣僚級会談における合意内容が、非核化に向けた対話へと発展する可能性は低い。むしろ、五輪が閉幕すれば、北朝鮮はにわかに訪れた外交上のチャンスに乗じて、核とは無関係のテーマで交渉の可能性を探ってくるだろう。これによって、米韓の間にはおなじみの難題が浮かび上がることになる。

北朝鮮の最高指導者、金正恩(キムジョンウン)氏は、米韓同盟を弱体化させるという長年の政策の一環として、交渉を切り出した。韓国と接触することによって、自称・核保有国としての地位を、全世界の目の前で既成事実化しようとしているのだ。