週刊東洋経済 2018年2/17号
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「あまり大きな声では言えませんが、依頼を断ることもけっこうありますよ」

某ゼネコンの幹部は事もなげにそう話す。冬の時代が長く続いた建設業界。かつては「社員や下請け企業を遊ばせるよりマシ」と赤字覚悟での受注が横行していたが、今は「割に合わない工事は受けない」と態度が豹変した。隔世の感があるほど強気な姿勢に出られるのは、無理に受注しなくても過去にない好業績を上げられているからだ。

スーパーゼネコンと呼ばれる大手のうち、上場している鹿島、大成建設、清水建設、大林組の2017年3月期における当期純利益の合計は約3900億円。バブル期の恩恵があった1992年3月期の約1600億円をはるかに上回る水準だ。業界の頂点に君臨するスーパーゼネコン5社は言わずもがな、準大手でも最高益が続出している(記事下表)。

大手ゼネコンの業績は12年3月期以降、右肩上がりの伸びが続く。11年に発生した東日本大震災での復興需要を契機に建設需要が急回復。さらに東京五輪の開催決定や景気の拡大などにより、民間企業に開発や設備投資の機運が高まってくると、ゼネコンは一気に息を吹き返した。

建設経済研究所の試算によれば、建設投資は10年度の41兆円から13年度には一気に51兆円へと回復し、その後も50兆円を上回って推移している。

発注者との力関係が完全に逆転した

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