政府税調会長など多くの公職を歴任。2016年には末期の膵臓(すいぞう)がんを告白した財政学の泰斗が、負担の先送りを続けたこの30年の財政を切る。

いし・ひろみつ●1937年生まれ。一橋大学経済学部卒業、同大学院で博士号取得。同大教授を経て学長。日本経済学会常任理事、政府税制調査会会長、放送大学学長などを歴任。(2014年頃撮影)

平成元年(1989年)は消費税が始まった年だ。それまでの10年に2度導入を試みては失敗し、3度目の正直でようやく通った大型間接税だった。

当時の首相の竹下登さんは、消費税を導入するためにつじ立ちで全国行脚することまでやった。私も政府税調の委員として傍らで見ていたが、信念のある政治家だなあ、と思った。今でも危機的なのに、もし消費税がタブーのまま当時誰も手をつけなかったら、日本の財政はどうなっていたか。