日経平均株価は1月下旬、26年ぶりに2万4000円台に乗せ、バブル崩壊後の高値を更新した。こうした中、個人投資家にとって東京証券取引所で約定(売買成立)するよりも有利な株価での売り買いが可能となる取り組みが始まっている。楽天証券が2017年12月に開始した、PTS(私設取引システム)「チャイエックス・ジャパン」との接続がそれだ。

「これまでのところ、現物株式の15~20%がチャイエックスで約定されている。それらの約定では、個人投資家の売買価格が改善されたことを意味する」と楽天証券の土居雅紹執行役員は語る。2月中旬には、もう一つのPTSである「SBIジャパンネクスト」との接続も開始し、PTS2社での約定比率は「30%弱まで拡大する見通し」(土居氏)だ。

土居氏が語る「価格改善」とは、東証で約定する場合に比べ、売るときであればより高い価格で、買うときであればより安い価格で、株式を売買できることをいう。それを実現するPTSとは何なのか。

東証とPTSを比較し最良価格で自動約定

PTSは、証券会社がコンピュータ上で運営する取引システム。複数の証券会社や投資家が売買の場として活用するために接続し、一種の取引所として機能する。

発祥は、1998年12月の証券ビッグバンでの解禁。その後参入と撤退が相次いだが、現在は、米投資会社傘下のチャイエックス・ジャパンと、SBIグループが5割弱出資するSBIジャパンネクスト証券の2社が展開する。

これまでは機関投資家向けが中心だったが、後述するPTSでの信用取引解禁の可能性をにらみ、個人投資家向けの楽天証券がPTS2社と接続。すでにジャパンネクストと接続済みのSBI証券を含め、個人投資家の売買においてもPTSが拡大する機運が高まる。

PTSを活用すると、なぜ価格改善が実現するのか。