2013年にジェフ・ベゾス氏が買収して以降、ワシントン・ポスト紙は有力紙の地位を取り戻している(ロイター/アフロ)

「2017年は偏向した不公正な報道や、露骨なフェイクニュースの1年だった」

トランプ大統領は就任から1年が経つ1月中旬、共和党サイト上に自身が選定したフェイクニュースの「受賞リスト」を公表し、11のニュースを挙げた。

これに対し現地メディアからは、言論への弾圧だとして批判が巻き起こっている。受賞リストに入った米ワシントン・ポスト紙は、競合紙である米ニューヨーク・タイムズ紙や米テレビABCの受賞内容についても反論記事を掲載。加えて1月21日付で、この1年間でトランプ氏が2140個もの虚偽の主張や誤解を招く主張を述べたと報じた。その頻度は1日平均5.9回に達する。

筆者は、どのような事実もフェイクニュースとして扱うトランプ氏やその支持者たちに、伝統的なメディアがどう対峙しているのかを追うため、昨年複数回にわたりワシントン・ポスト紙を取材した。

首都ワシントン。ホワイトハウスに近い地下鉄ファラガットノース駅を出て、Kストリートを歩くと、重厚感のある建物にたどり着く。この建物がワシントン・ポスト本社だ。筆者が最初に同社を訪れたのは昨年2月、同紙のロシア疑惑をめぐる報道がきっかけで、政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたマイケル・フリン氏が辞任した日だ。一連のロシア疑惑で政権幹部の実名が出た最初のケースだった。