教育・科学技術政策通として知られ、現在の競争的資金重視政策の生みの親でもある財務省主計局次長・神田眞人氏に聞いた。

かんだ・まさと●1987年東京大学法学部卒業、大蔵省(現・財務省)入省。91年英オックスフォード大学修士。2017年から現職。(撮影:今井康一)

──日本の研究力低下をどう認識していますか。

論文の被引用度の下落に強い危機感を有している。ただ、日本の科学技術関係予算は対GDP比0.71%と主要先進国と遜色はなく、リソースのせいではない。政府から大学への研究開発費は、日本は1.8兆円とドイツの1.6兆円より多いのに、高被引用論文(トップ10%論文)数はドイツの6割にも満たず、生産性が低いことが問題だ。

この原因として、大学の封建的、閉鎖的な体質がある。日本の大学は講座、領域、学部、大学、研究所、企業、国境で壁があり、著しく流動性を欠いていることが大きい。そのためオープンイノベーション、学際研究、グローバル研究の時代に不利となり、また非競争的環境の中で、活力を喪失するモラルハザードが生じている。国際交流、国際共著論文が弱いので論文被引用が劣り、産業界との連携の度合いや国際性が低いことも、大学ランキングを下げている。

──運営費交付金の削減が原因との声があります。

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