気動車の先頭車両前方の窓は、市場と観光客をじっくり観察できる「特等席」だ

「壮観」とは、こういうときに使うべきなのだろう。

気動車が終点のメークロン駅に近づき、汽笛を鳴らしつつ徐行を始めた。先頭車両前方の窓からは、線路の左右両側ぎりぎりまで広がる市場とそのすき間に、ラッシュ時の通勤列車待ちのようにびっしりと立ち並んでいる観光客の姿が飛び込んできた。そのすべてがスマートフォンやカメラをこちらに向けている。

観光客の多くはタイ人や中国人。中でも若者、とりわけ女性が目立つ。列車の速度が人の歩く程度であるのをいいことに、ぎりぎりまで線路の中央に立って撮影を続ける猛者もいる。日本では、線路内に立ち入り、踏切内で撮影しただけで大問題になるのだが……。