朝鮮半島の南北が、急速に接近している。目下、北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪参加以外、何か具体的な成果があったように思えない。とはいえ、まったくの断交状態だった従前からすれば、急転換ではある。

小欄第56回にて、平昌五輪の開催が危うい趣旨のことを書いて脱稿したとたん、北朝鮮の参加表明と米国の合同軍事演習の延期が決まったものだから、いささか慌てた。時事の追跡・現状の分析は、往々にしてこの種のことがあるから怖い。

手持ちの情報はいつも少なく、断片的である。洞察力も乏しい浅学菲才(ひさい)の身、表面的な理解で倉卒に文章を綴(つづ)るものだから、局面が急転して論旨と齟齬(そご)をきたすと、このように周章狼狽、とてもみっともない。物事を知るに、ある程度の時間を求めるのは、どうやら歴史家の習癖のようでもある。