在日外国人の間では、稼いだおカネを母国の家族に送りたいという需要がある。だが一般的な海外送金サービスは、外国人にとっては必ずしも利用しやすいものではなかった。銀行窓口の受付時間は往々にして、彼らが働く時間帯だ。書類上の難しい日本語を読んで、日本語で記入するのは一苦労。手数料も安くない。この不便さから、違法な地下銀行で送金する外国人も多いという。

この課題に率先して挑んでいるのがセブン銀行。スマートフォンアプリと多言語対応のコールセンターを使って、外国人にも預金口座の開設と海外送金を行いやすくした。定期的な監視でマネーロンダリングのリスクに備えながら、急増する外国人の需要に応えている。二子石謙輔社長に、取り組みの狙いを聞いた。

ふたごいし・けんすけ●東京大学法学部卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。2003年にアイワイバンク銀行(現セブン銀行)に入り、10年6月から現職。(撮影:梅谷秀司)

──どういった経緯で、外国人向けサービスを始めたのですか。

始めたのは2011年で、その4年前に国際送金業者の米ウエスタンユニオンから事業提携を提案されたのが発端だ。当時すでに、日本で労働力人口が不足することは明らかであり、それをカバーしてくれるのは外国人になるという直感があった。ところが、就労している在日外国人が稼いだおカネを母国に送金しようとすると、著しく不便な状況に直面していた。「これは何とかしなければいけない、私たちがやるべきではないか」と判断したのだ。

──セブン銀行はATM(現金自動出入機)業務の専業です。なぜ外国人向けサービスに取り組むのですか。