県道沿いにはブラジル人の営む店が並ぶ

群馬県で最も面積が狭く、人口密度のいちばん高い町。それが邑楽(おうら)郡にある大泉町だ。日本人住民は減少トレンドにある半面、外国人住民の増加が続く。

最寄りの東武鉄道・西小泉駅で降りると、すれ違う人たちの多くが外国人になった。商店街では色鮮やかなブラジル料理店の看板が目に飛び込む。中古車販売店から大音量で聞こえてくるのはラテンポップス。町の通称「リトルブラジル」にふさわしい雰囲気だ。

大泉町は人口に占める外国人の割合が18%と全国でも高く、在日ブラジル人の集住地域として知られる。全国で18万人を超える在日ブラジル人のうち9割近くは永住者・定住者だ。大泉町でもこの地に長く住むブラジル人は多い。

町で話しかけた日系3世の男性は、「ここに27年住んでいます。両親が日系ブラジル人で、『デカセギ』に来ました」と誇らしげに教えてくれた。彼らが働くのは、町内北部にあるSUBARUや南部のパナソニック(以前は三洋電機)、その下請け会社の工場となる。

町のブラジル人の出稼ぎの歴史は30年ほど前までさかのぼる。1980年代のバブル経済期、大泉町の製造業現場も人手不足となった。地元人材の採用だけでは足りず、結果としてイラン人などが流入、不法滞在者や不法就労者が増加した。これに町や企業は危機感を覚える。