ウォルマートのデジタル実験店。店内にはさまざまな仕掛けが施されている

「ウォルマートとアマゾンはコインの裏表になりつつある」。いま米国の小売業界関係者の間でそんな表現が飛び交っている。

前者はリアルからデジタルへ、後者はデジタルからリアルへ進攻し、似たような存在になりつつあるという意味だ。日本ではアマゾン1強のようにいわれるが、分野によってはウォルマートがアマゾンを追い越し始めたと言う関係者もいる。

実際、ウォルマートのネット通販(EC)は急伸している。売上高が100億ドルを超えたのが2013年度。直近の17年度は、第3四半期まで前年同期比50~63%増と成長が続いている。

全社売上高が約4850億ドル(16年度)と巨大な中ではまだわずかだが、目を見張る伸び率だ。このECの成長を受け、18年に入って株価は上場以来初めて1株100ドルを突破した。

この追い上げを可能としている要因は、第一に長い歴史によるノウハウの積み上げと今も続く試行錯誤、第二に取り組み初期段階でのシステムのバージョンアップ、そして人材だろう。

ウォルマートは1996年にECを始めている。同社の公式資料では00年からとなっているが、これはシリコンバレーにEC専用オフィスを開設した年。同社のEC歴はすでに20年を超えているのだ。