昨年10月に開かれたリップル社のイベントに登壇したベン・バーナンキ前FRB議長(右)

まさに新旧対立の構図だった。昨年10月、カナダで世界各国の主要な金融機関の幹部や中央銀行関係者が一堂に会した国際会議「Sibos」(サイボス)が開催された。資金決済やイノベーションなど各分野の最新テーマで議論が交わされる、金融界では世界最大級の国際会議だ。

サイボスから程近い会場では、「SWELL」(スウェル)と名付けられたイベントが行われていた。開催者は米フィンテックベンチャーのリップル社だ。ブロックチェーン技術を使って国際送金を行うプロジェクトを進めている。

リップル社はこれまでサイボスの出展企業として、プロジェクトへの参加を募っていた。世界の有力金融機関がこれに続々と参画しており、その数は100行を超える。急速に存在感を高める中、昨年はサイボスと同じタイミングで独自イベントを行ったのだ。基調講演のスピーカーには前FRB(米国連邦準備制度理事会)議長のベン・バーナンキ氏を招くなど、相当な力の入れようだった。

サイボスを主催するのはベルギーに本部を置くSWIFT(スイフト)という団体であり、国際的なネットワークで送金に関するメッセージ通信サービスを世界中の銀行に提供している。「サイボスvs.スウェル」は、「スイフトvs.リップル」とも言い換えられる。

事実上の独占に風穴を開ける動き