マイクロソフトリサーチ(MSR)は米国、英国、中国、インドの7都市に設置された研究機関。ハイテク企業としてのマイクロソフトの心臓部であり、創業者ビル・ゲイツ氏の時代から一貫して巨額の投資がなされてきた。日本の電機企業も同様の研究機関を持っていたが、その多くが業績低迷期に廃止・大幅縮小されている。マイクロソフトリサーチ・アジア(中国・北京)のシャオウェン・ホン所長に、MSRの最近の重点テーマと、長期的に研究を続けることの効果を聞いた。

Hsiao-Wuen Hon●台湾大学卒業、カーネギーメロン大学でコンピュータ・サイエンス博士。1995年にマイクロソフト入社、2007年から現職。14年からはアジア太平洋における研究開発のトップも。(撮影:梅谷秀司)

僕がマイクロソフトに入ってから23年。近年の変化は、何に投資するのか・しないのかという戦略的な選択が非常に明確になったことだ。端的な例はスマートフォン。一時は自社でスマホ事業を展開したが、サティア・ナデラCEOが躊躇せず撤退を決断した。一方でAI(人工知能)や量子コンピュータのような、コンピュータ・サイエンスとソフトウエアの未来にかかわる研究開発にはより積極的になった。