「きっと死には至らない。しかし、これからずっと強烈な逆風を浴び続けることになる」。匿名を条件にした、ある生命保険関係者の偽らざる業界認識だ。

最大の逆風。それは「2025年問題」である。1947〜49年に生まれた団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるのが25年。団塊の世代は日本の人口において最大のボリューム層である。保険会社から見れば、主要契約者が減り、逆に支払いは増えていくことを意味する。

さらに10年後には「35年問題」が控える。35年、団塊世代の死亡数が増えるばかりか、もう一つのボリューム層である71〜74年生まれの団塊ジュニアがすべて60歳以上の高齢者となるからだ。そこから見える未来は、契約者の急減と支払いの急増という悪夢にほかならない。

現在、生保業界では40社以上が事業展開しているが、35年ごろにはその数はぐっと減ることが予想される。もちろん、いち早く対応策に着手した企業のほうが生き残る確率は高くなるはずだ。

「中長期的に見て人口減少が想定され、超低金利で商品組成も難しい。終身保険や定期保険の第1分野と医療保険やがん保険の第3分野のパッケージ型商品を売ってきたが、将来的にはそれとは次元の違う挑戦も必要だろう」。シティグループ証券アナリストの丹羽孝一氏はそう分析する。

家族構成の変化で売れ筋がシフト