イラスト:熊野友紀子

近年、「外貨建て保険」に関する相談を受ける機会が増えた。20代や30代の単身者が資産形成目的での加入を検討している場合、80代の親が銀行から大金を一括払いする契約を勧められている場合などさまざまだが、結論は明快だ。円換算した保険金額は為替によって変動するし、手数料が高く資産形成には不利なので、「死亡保険金を外貨で受け取りたい人」以外、検討しなくていい。

死亡保障と貯蓄性が同時に語られる商品の多いことも、消費者の判断を難しくしているので、仕組みを示しておく。一定期間の死亡保険金と満期金の額が同じである「養老保険」や、一生涯の死亡保障がある「終身保険」は、簡略化すると下図のようになっている。

「(1)商品の仕組み」の上の保障部分は、将来の保険金支払いに備える積み立て部分が大きくなるにつれ減っていく。たとえば、保険金10万ドルの場合、積立金が5万ドルになった時点で、保障部分は5万ドル分をカバーできればいいからだ。

ポイントは「(2)積立金の殖え方」だ。積み立てというとグラフの原点から右肩上がりの線をイメージしやすいが、保険の場合、代理店手数料などが高いため、大幅なマイナスからのスタートになるのだ。