【今週の眼】小峰隆夫 大正大学地域創生学部教授
こみね・たかお●1947年生まれ。東京大学卒。経済企画庁経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て、2017年4月から現職。日本経済研究センター理事・研究顧問も務める。著書に『人口負荷社会』『日本経済論の罪と罰』『政権交代の経済学』など。(撮影:尾形文繁)

やがて幕を閉じようとしている平成時代の経済政策は、試行錯誤と実験の連続だった。

日本経済の行く手にはバブルの崩壊と不良債権問題、アジア通貨危機と日本の金融危機、デフレの進行、人口減少社会への突入など、これまで経験したことのない難しい課題が次々に現れてきた。

そして、お手本のないこれら諸課題に対しては、どうしても試行錯誤的な対応にならざるをえなかった。しかし残念ながら、こうした試行錯誤と実験は成功したとはいえない。1990年代には巨額の公共事業が執行されたが、経済が自律的成長軌道に乗ることはなかった。不良債権処理は遅れに遅れ、結局は莫大な財政資金を必要とした。金融政策は、デフレからの脱却を目指して異次元緩和やマイナス金利政策など、冒険的ともいえる実験的金融政策が採られたが、今に至るまで想定したような効果は発揮されていない。