世界の歴代映画興行収入トップ100に、アジア映画で唯一ランクインしている作品。それが『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』(原題は『戦狼2/Wolf Warrior II』)だ。日本最大のヒット映画『千と千尋の神隠し』の3倍超に達している。

2017年、中国の映画市場は前年比13%増の559億元(約9700億円)へ拡大した。12年に世界2位となり、以後は北米市場(17年は約1兆2500億円)との差を詰めている(米ボックス・オフィス・モジョ調べ)。

昨年の高成長の立役者が『戦狼2』だ。56.8億元(約980億円)のメガヒット。これまでの中国市場首位『美人魚』(邦題は『人魚姫』)の33.9億元(約590億円)を大きく更新した。

『戦狼2』の監督・主演はウー・ジン氏。6歳からカンフーを学び、その後アクション俳優に転じた。15年の前作『戦狼1』が興行収入5.4億元(約94億円)のスマッシュヒットを飛ばし、一躍スターとなった。

そのウー氏が演じる『戦狼2』の主人公は、中国軍の特殊部隊「戦狼」の元隊員レン。除隊後に、恋人の敵(かたき)を探してアフリカ各地を放浪していた。その最中、ある国の内乱に巻き込まれる。戦闘地域に中国人らが取り残されていると知ったレンは、救出活動に向かう。内政干渉になるため手を出せない中国軍の代わりに、反政府勢力の外国人傭兵部隊と激しい戦いを繰り広げる。市街地での戦闘、カーチェイス、ドローンとの戦い、戦車戦、カンフーバトルと、息つく暇もなくアクションシーンが続く。

プロパガンダ作品の作り方が変わった

『戦狼2』で興味深いのは、愛国映画としての側面だ。