変化が激しく熾烈な競争社会で勝ち抜くための力を、どう身に付けるか。世界のエリートたちが注目するのがアートだ。

いま米国ではビジネスパーソンがこぞって美術館のギャラリートーク(作品を鑑賞しながら話をするイベント)に集まっている。英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アートをはじめとした名門美術大学では、グローバル企業向けにアートを用いた研修が積極的に行われている。

日本でも、デザイナーやクリエーターを経営のアドバイザーとして起用するケースは少なくない。ユニクロやセブン-イレブン・ジャパンなどのブランディングを手掛ける佐藤可士和氏や無印良品を展開する良品計画のアドバイザリーボードメンバーを務める深澤直人氏などが好例だ。

アートに注目が集まる背景には、経営の差別化戦略がある。

昨今のビジネスでは数値分析や効率が重視されている。ところが「マーケティングなどで数字を突き詰めていくと、各社とも同じ戦略になりがちで、同質化競争に陥ってしまう。すると、規模の大きい企業が勝つか、価格競争となってしまう」と佐藤可士和氏(詳細は「デザインとは課題解決の手法だ」参照)は指摘する。

さらに今後、AI(人工知能)がビジネスに本格的に入り込むことで、数値分析や効率化への傾斜はますます加速する。AI化の中で人間には新しい価値を生み出すためのスキルが求められており、人の感性に訴えるアートは絶好の教材なのだ。

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