ゼミ生とスタンディングデスクを使う岡教授の研究室(撮影:梅谷秀司)

慢性的な運動不足が健康に悪影響を及ぼし、死亡リスクを高めることは、さまざまな専門機関が警告している。

WHO(世界保健機関)は「健康のための身体活動に関する国際勧告」(2010年)の中で、運動不足は、高血圧、喫煙、高血糖に次いで全世界の死亡における危険因子の第4位であることを公表した。日本でも、運動不足は非感染性疾患および外因による死亡に関して、喫煙、高血圧に次ぐ第3の危険因子となっている。

そのため厚生労働省は18〜64歳の国民に対して、少し息が弾む運動(3メッツ以上 ※メッツは運動の強さを表す単位、下表)を毎日行うことを推奨してきた。

しかし、現代人がこうした水準の運動を行う時間は、起きている時間の約5%にすぎない。55〜60%は、テレビの視聴やデスクワークといった1.5メッツ以下の「座位行動」が中心。近年の研究では、むしろこうした座りすぎによる死亡リスクの問題が注目を集めている。

座りすぎの健康影響を調べた研究成果はいくつかある。45〜74歳の成人8万3034人を平均8.7年間追跡した国内の研究では、座位行動が1日3時間未満の人に比べて、8時間以上の人は死亡リスクが18%高いことが示された。