【今週の眼】苅谷剛彦 英オックスフォード大学教授
かりや・たけひこ●1955年生まれ。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、博士(社会学)。東京大学大学院教育学研究科助教授、同教授を経て2008年から現職。著書に『階層化日本と教育危機』『増補 教育の世紀:大衆教育社会の源流』『教育と平等』など。(撮影:尾形文繁)

大学入試改革、学習指導要領の改訂など、教育政策をめぐる動きが目まぐるしい。2020年度に導入される大学入学共通テストでは、数学と国語で思考力・判断力・表現力を測るために記述式問題の導入が決まった。同じ年度から本格実施される新しい学習指導要領への対応だといわれている。

大学入試がネックとなって、高校までの教育は知識注入型に終始してきた。だから入試を変えれば、高校以下の教育も変わるはずだという見込みが背景にある。記述式問題は、その切り札に位置づけられている。

これらを串刺しするのが、「アクティブラーニング」という新しい教育論・学習観だ。教師による一方的な講義形式の授業から、生徒たちが能動的に授業に参加し、主体的に学習する。そのような転換を目指すためにも入試を変えようというのだ。