改ざんドミノ

損害賠償責任など焦点に

日本を代表する素材メーカーで相次ぐデータ改ざん。旧役員を含め、経営陣の関与・黙認がなかったかが注目される

日本の製造業に対する信頼性を揺るがしている検査データ改ざん問題。2017年10月の神戸製鋼所に続き、同11月下旬には三菱マテリアルの子会社と東レの子会社が改ざんを公表した。顧客と契約した強度などの仕様から逸脱した不適合品を、検査証明書のデータを書き換えて適合品として出荷していた。品質よりも納期や収益が優先された形だ。

経団連の総点検要請で不正はさらに露呈か

日本経済団体連合会の榊原定征会長(東レ相談役)は出身母体での不正を陳謝するとともに、品質管理にかかわる不正の続出は「わが国に対する国際社会および国民からの信用・信頼を損ないかねない重大な事態」と表明。会員約1350社に対し法令違反や契約違反などの不正取引がないか調査を行うよう要請した。今後も同様の不正が露呈する可能性は高い。

不正の原因に関し神鋼の川崎博也会長兼社長は、「品質責任が各事業部に委譲され、本社は収益管理のみに偏っていた」「(不正が多発した)アルミ・銅部門では人事が固定化され、品質に対する独自の誤った考え方が醸成された」などと述べている。不正は検査データが残存する分だけでも約10年前から確認されており、実際にはさらに長期にわたるとみられる。

神鋼は現状、工場の幹部を含む組織ぐるみの不正とは認めているものの、川崎氏ら経営陣の直接関与や黙認は認めていない。最終的な原因究明や責任追及は外部調査委員会の報告が待たれるが、会社の信用を失墜させた経営責任は重大であり、トップ辞任の公算は大きい。

三菱マテ系では、不正のあった三菱電線工業の村田博昭社長が17年12月1日に引責辞任。同社長は3月にシール材のデータ改ざんを把握した後も約7カ月間、出荷を続けていた。三菱マテは同様に不正のあった三菱伸銅や三菱アルミニウムを含めた問題の原因究明と再発防止策を17年度内にまとめる。

東レも子会社におけるタイヤ補強材などの8年に及ぶ改ざん判明を受け、傘下企業の調査を徹底し、原因を究明したうえで、関係者の処分を行う方針だ。