経済|吉崎達彦氏お薦めの5冊
人間が必ずしも合理的に行動しないことを直視せよ

双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦
よしざき・たつひこ●1960年生まれ。旧日商岩井で広報、秘書など経て現職。人気ブログ発の『溜池通信 いかにもこれが経済』などユニークな視点に立った著書多数。(撮影:尾形文繁)

バブルって何だったの──。子ども世代に聞かれて答えに迷うこともありましたが、『バブル』が出てからは「これを読め」。書かれていることは、放っておくと歴史に残らないものが多いので、若い人にこそ読んでもらいたい。今の基準で見ると信じられないことが当時はいっぱいあったんですよね。「昔はこんなんで融資が決まってたの?」とか。びっくりするだろうけど、間違いなくこの国がやっていたこと。あなたたちのお父さんの世代はこんなバカなことをしていたんですよ、って。

反面、それなりにかっこいい時代でもあった。数多く登場するバブル紳士を含めて、出てくる人間がすごくまぶしい、かっこいい。憎むべき人物も時に魅力的で感情移入がしやすい。バブル紳士の評価に甘い面があることを割り引いても、ピカレスク小説のような面白さがある。