宅配各社は運賃値上げを進めるが、業界ではドライバーが依然として不足している(撮影:大澤 誠)

急激なインターネット通販(EC)拡大、深刻な人手不足──。2017年は、宅配便の需給逼迫が社会の高い関心を集めた年だった。

ヤマトホールディングス(HD)傘下で業界首位のヤマト運輸は、17年10月に個人向け運賃を平均で15%値上げ。実に27年ぶりの全面改定となった。2位の佐川急便も同11月に追随し、18年3月には3位の日本郵便も運賃を平均12%値上げする。

法人向け運賃も値上げが進む。大手3社でシェア9割を超えるため、大口荷主への影響は必至だ。増加した物流コストの一部を利用客に転嫁する通販企業も少なくない。

今後のカギを握るのは約半分のシェアを持つヤマトだ。労働環境の改善を急ぐ同社は、業界では異例となる総量抑制にも着手。17〜18年度に16年度比で約1億個、全体の5%に当たる受け入れ量を減らす計画だ。

法人向け運賃の算定方式も抜本的に見直す。従来は営業担当者の裁量が大きかったが、荷物の数量や大きさ、不在配達率を総合的に勘案した運賃を提示する。人件費や燃料費といった経済指標に連動させることも検討する。「コストに見合った適正な運賃を継続的にいただく」(山内雅喜・ヤマトHD社長)。野村証券の広兼賢治アナリストは「運賃の決定権を握ったことでヤマトの収益性は向上し、数量が増えれば利益が増える正の相関に入る」と評価する。