2020年の改正憲法施行を目指す安倍晋三首相にとって、18年は正念場となる。20年に施行するには19年中に衆参両院による発議、そして国民投票という大作業を終えなければならないからだ。

自民党はまず、18年1月の通常国会で党の改正案を憲法審査会に提出する方針だ。自民党の憲法改正推進本部は、9条への自衛隊明記、緊急事態条項、教育無償化、参院選「合区」解消の4項目を改正対象に挙げている。

その後の日程については「通常国会後半に発議、18年秋に国民投票」「18年秋の臨時国会で発議、19年1月召集の通常国会の終了前後に国民投票」「19年1月召集の通常国会で発議、同年夏の参院選と同時に国民投票」などのシナリオが想定される。

安倍首相は政権復帰した12年の衆院選以来、5回の国政選挙で、自民党を大勝に導いた。衆参両院では与党・公明党や野党・日本維新の会など改憲に理解を示す勢力で発議に必要な3分の2を確保している。

公明党は17年10月の衆院選で、00年以降で初めて比例代表で700万票を割ったことについて「平和の党らしさを失っている」と総括しており、9条については改正に慎重な姿勢を強めている。そのため、改正シナリオの遅れを予想する声もあるが、安倍首相ら官邸側にはそれほどの危機感はなく、余裕すら漂う。その理由を知るカギは17年11月の特別国会における安倍首相の所信表明にある。