海外で開明的と見られていたムハンマド皇太子の強硬手段に世界の金融市場も一時動揺(ロイター/アフロ)

サウジアラビアは、歳入の大半を石油に依存する経済だ。そのシステムは持続可能でなく、いずれ石油依存から脱却しなければならないとの認識は、古くからサウジの政治指導者たちに共有されていた。けれども、ぬるま湯体質の中、改革は掛け声倒れに終わってきた。

だが、2015年、アブダッラー国王が崩御し、異腹の弟サルマーン皇太子が国王に就くと、状況が変わり始める。新国王は矢継ぎ早に新しい政策を打ち出し、実の息子で当時弱冠30歳のムハンマド・ビン・サルマーン(以下ムハンマド)王子を推進役に抜擢した。

国王は彼を国防相に据えると、多くの政府委員会を政治安全保障問題会議と経済開発問題会議に集約、後者の議長も彼に任せ、さらに国営石油会社・サウジアラムコの最高評議会議長の座にも就けた。つまり、ムハンマド王子はサウジの軍事・経済・エネルギーを握る事実上の最高責任者となったわけだ。