「人づくり革命」を掲げ2兆円の政策パッケージを閣議決定したが、課題は山積みだ(時事)

2017年も終わろうとしている。10月の総選挙で安倍晋三政権はさらに数年継続することが確実となった。しかし、日本が直面しているさまざまな政策的難題に対して政治が的確に取り組んでいるかといえば、憲法改正をはじめとする空騒ぎばかりが続いているように思える。

1997年の金融危機から20年。失われた時代はいつの間にか20年を超え、このまま政治が無策であれば30年に届くだろう。この間、社会・経済の病理は緩慢に進行してきたが、ある臨界点を超えれば手の施しようのないような速度で悪化するかもしれない。12月7日の朝日新聞朝刊に、旭化成社長の次のような話が載っていた。

「当社では、30代後半から40代前半の層が薄くなっています。00年前後に構造改革で採用を極端に減らしたためです。その世代が中間管理職として一番パワーを持たないといけない時代にさしかかってきました。キャリア採用もしていますが、なかなか人が集まりません」

目先のコスト削減のために人材育成を怠った結果の人手不足は、経営戦略の失敗であり、自業自得だ。とはいえ、この構図は一つの企業にとどまるものではなく、日本全体の困難を象徴している。

人口減少は成長力の消滅、国内市場の収縮、地方の空洞化、財政や社会保障の持続不能など多くの問題の根源である。なぜ00年代半ばから人口減少が始まったのか。直接的な原因は、70年代中頃に生まれた、いわゆる団塊ジュニア世代が、あまり子供を作らなかった点に求められる。70年代中頃は団塊世代が子供を産み、出生数は1年に200万人程度だったが、その30年後に第3次ベビーブームは起きず、出生数は100万人強が続いた。