11月はアジアにトランプ旋風が吹き荒れた。2年ぶりにベトナムの首都ハノイに行ったその期間、米トランプ大統領や安倍晋三首相、そして中国の習近平国家主席はベトナム第3の都市、中部のダナンでアジア太平洋経済協力(APEC)閣僚会議に出席していた。この間ベトナムでは、「米国につくべきか、それとも中国か」といった議論を何度か聞いたが、一所懸命ODA(政府開発援助)を供出して地下鉄建設に励んでいる日本の名は残念ながら聞かれなかった。

ベトナムには実はもう一つ、強い影響力を持つ国がある。韓国だ。ベトナム経済の好調が伝えられるが、その貿易収支の黒字化には、従来の水産物などの輸出に加えて、サムスン電子の携帯電話などが大きく寄与している。日本では報道されていないが、関係者は「サムスンがいなくなったらベトナムは潰れる」と話すほどだ。

韓国との関係は以前から親密ではあるが、特に中国との領土問題が表面化した2011年以降、顕著になった。朴槿恵(パククネ)前大統領をはじめとする韓国政府首脳とベトナムのグエン・タン・ズン前首相は極めて親密な関係を築いており、経済的な結び付きを押し上げた。

だが次期書記長就任が有力だったズン首相が完全引退に追い込まれたのは、朴氏の罷免問題とリンクしていると指摘される。韓国企業の進出に便宜を図るなど、地元では汚職などのうわさもある。